村上さんのいうことにゃ

こういう場があるからには書かなあかんと思って、

騎士団長殺し/村上春樹」読了。

騎士団長殺し :第1部 顕れるイデア編

騎士団長殺し :第2部 遷ろうメタファー編

ページを開いて読み始めるに、

うん。村上春樹だね。という気持ちになって、

読み進めるにつれて、

いやー。村上春樹だわー。と。

第一部を読み終わった感想は、

ここまでずーっと村上春樹でした、で。

第二部を開いた時にはどうせ村上春樹なんでしょ?で、

最後まで読んでみた感想も、

村上春樹

でした。すごい。いろんな意味ですごい。

 

離婚があって(のちのち解消されて未遂で終わるけども)、

ひとりが好きで、俗世間にはなんだかなじめなくて、

小田原のおうちは十二滝町の鼠の別荘が思い浮かんで、

森があって、

井戸ではないけどそれに準ずる地面の下があって、

ずーっとセックスしてて(いずれなんらかの理由で離れてしまう)、

ご飯を作ってひとりで食べて(でも人につくってあげるのは苦痛じゃなくて)、

お金に困らないイケメンが出てきて、

ロリコン的な少女が出てきてなんか巻き込まれて、

人間のかたちに似た小さい生き物が出てきたり、

暗闇を、狭い穴を、壁を抜けたり、

まあなんかいろいろ。

 

いままで書いてきた話を煮詰めて煮詰めて、

飲みやすいカプセルにして、いまなら二箱プレゼント。

ふたはこ?ふたはこ!みたいな第一部、第二部の2冊でした。

 

初期からほとんどを読みつくしている身からしてみると、

定冠詞が付くほどの本。

これで初めての村上さんだったとしても、

さらっと読めるファンタジー小説な気がしました。

わたくしは「だいぶよかった!」と感じました。

もう一回読み返したいし。すでになんども読んだ感覚あるけど。

 

そりゃ荒さがしというか文句をつけたい部分もあるけども

(戦争の話とかね。ご意見をむりくり盛り込んできた部分ありますよね)、

ひとつだけ言うとすると、

先の震災の数年前の話でその時点で36歳…だっけ?

ということはいまは45歳程度かしら。

その人の聞く音楽の趣味では全くないなー、ってところ。

おうちに元々あったレコード群は置いといて、

それ以外の趣味がその世代の人が聞くには古臭すぎる気が。

まあ人の趣味なんてそれぞれなのでそれぞれでしょうけども。

 

いつもは文庫待ちしていたので単行本は久しぶりでした。

本を読んでるー、って感覚がしました。

あとはもうセックスたくさんしてて羨ましいなという気持ち。